
ただいまの日本では空き家が急増しています。これは地方都市だけの話しではなくて、都市部の便利な土地でも空き家は増えているのです。
どうして空き家が増えるのかと言えば・・・一番の原因は人口急減なのですが、それ以外にも原因はいくつもあるわけなんですね。その1つとして考えられるのが「空き家の所有者が現状放置を望んでいる」というものです。
それではどうして持ち主は放置を希望するなんていうことになるのでしょうか?また空き家が増えている他の原因は何なのか?空き家が増えることによってどんなデメリットが出てきて、そして対策はあるのかどうかについて考えてみたいと思います。
空き家が増える原因
空き家が増える最大の原因は人口が減っているからなのですが、実はそれだけが理由というわけではないのです。新築が供給され続けているというのも原因の1つですが、コレ以外でもいろいろな原因が存在するのですね。
- 相続問題が解決しないから
- 解体費用が捻出できない
- 貸し出したいが借り手が見つからない
- 空き家を解体すると土地の固定資産税が上がるから
- 希望の価格で売却できないから
- いつかは我が家に戻って住みたいから
どうでしょうか?これらの原因が存在していると簡単に空き家問題は解決しないのがわかると思います。特に空き家を解体して更地にした時の資金面での問題が大きな問題になっていると思うのですが、解体費用だけを考えても300万円近くが必要となりますし、解体して土地が更地になってしまうと固定資産税が6倍に跳ね上がることになりますから・・・誰だって空き家を放置することを選ぶのではないでしょうか?
空き家が増えるとどんな問題が?
持ち主にしてみれば空き家を放置している方がメリットが多いのですが、近隣住民や市町村にしてみればデメリットが多いので問題になってしまうことが多いのです。それでは空き家が増えるとどのような問題が起きるのでしょうか?
- 倒壊による危険度の増加の問題
- ホームレスが住み着いてしまう問題
- 放火の心配
- 空き巣の侵入経路として利用される問題
- ハクビシンやネズミの住処となる問題
- 街の景観を損ねる
- ゴミを不法投棄される可能性が高くなる問題
日本ではこの程度の問題しか起きていませんが、アメリカなどの場合は空き家が犯罪者の拠点となることによって犯罪率が上がるという切実な現象が起きてしまっています。
空き家を減らす対策
空き家が問題であれば空き家を減らせばよいと簡単に考える人もいるのですが、空き家と言えども個人の財産ですので勝手に処分できるわけではないのです。そもそも所有者を見つけることさえできない物件も多いと聞きます。もともと資金面で余裕のない人の家が空き家になることが多いことから行政が空き家を解体すると解体費用も行政側が負担することになってしまうのです。1軒や2軒であればいいのですが数十軒や数百軒ともなると予算がどれだけあっても足りないということになってしまいます。
また、売却するために買い主を探したりリフォームしたりする自治体もあるのですが・・・費用と手間が掛かる割には結果が出ないことが分かってきたようです。対策によって数軒を売却してみたところで「焼け石に水」というのが実際のところでしょう。
そもそも空き家が多い地域には年寄りが多いですので、若い人が好んでその地域に住んでくれることは少ないわけですね。単純に言えば・・・近所づきあいや町内会においての「老害」を避けているわけです。さらに新築によって高気密高断熱住宅が低価格で手に入る時代になっているわけですから、古い住宅を最新の性能にするためには新築以上にお金が掛かってしまうのもネックになってしまうわけです。
空き家率が30%に達すると・・・
様々な原因があって空き家が増えていることが大きな問題となっているのですが、どのような対策をしたとしても空き家を大きく減らすことはできないことでしょう。そのことによって日本の地方や各自治体がどうなるのかはハッキリと断言できないのですが、アメリカには将来の日本の参考になる都市が存在しているのです。
それはデトロイトなのですが・・・自動車産業の空洞化による空き家の増加によって最終的には破綻してしまっているのです。理論上では空き家率が30%を超えると自治体は破綻するのですが、実際にデトロイトでは空き家率が32%に達するあたりで破綻してしまいました。
何か画期的な解決策や対策が出てこなければ、日本でも破綻する自治体が急増することはアメリカのデトロイトが証明してしまっているのです!