
農地で太陽光発電ができれば、日本全体で凄い発電量になりますが・・・農地が減ってしまいますよね。
しかし、ソーラーパネルが太陽光を遮ることによって畑や田んぼに光が当たらなくなるので農作物が育たなくなってしまうような気がしますよね?
ところが、畑などの農地で作物を育てながらソーラーパネルで太陽光発電を行う仕組みがあったのです。その取り組みを「ソーラーシェアリング」と呼びます。
ソーラーシェアリングとは、どのような仕組みで農地で農作物を育てながら太陽光発電も行なっているのでしょうか?
ソーラーシェアリングの仕組み
本来ならば農作物が使う太陽の光をソーラーパネルの発電に使うのですから・・・単純に考えると農作物が育たなくなるように思えます。
しかし、実は農作物にとっては農地全体に降り注ぐ太陽光の全部を光合成に使えているわけではないのですね。一定以上の太陽光は使い切れなくなるポイントを「光飽和点」と呼びます。
ソーラーシェアリングの場合は、この光飽和点をオーバーする分の太陽光を利用して発電するために、農地の3メートルほど上空にスリット状の隙間を開けてソーラーパネルを設置するのです。こうすることによって、農作物を育てることもできて、使い切れない太陽光で発電することもできるようになるのです。
ソーラーシェアリングによる収入と発電量
ソーラーシェアリングのメリットとしては、農地転用などしなくても・・・今までどおりに農業を続けることができて、太陽光発電までできることが挙げられます。つまり、農業収入と売電収入の両方を得ることができるようになるのです。
農業は過酷仕事の割には収入が安定しないというデメリットがあったのですが、ソーラーシェアリングによる売電収入によって毎月の安定収入が確保されるようになればより一層魅力的な仕事として認められる可能性もありますね。
また、日本の耕作地全体は約480万ヘクタールもありますが・・・そのうちの数%をソーラーシェアリングによって発電できるようになれば日本全体の電力使用量の30%近くを賄えるという計算も出ているのだそうです。
30%という数字は原発の使えない日本にとっては重要な数字になってくるのではないでしょうか?
農家の安定収入にとっても、日本のエネルギー戦略にとっても・・・ソーラーシェアリングは重要な問題を一挙に解決できる方法に成りうるということなのですよ!
ソーラーシェアリングの問題点
しかしソーラーシェアリングにはメリットばかりがあるわけではありませんね。
実は、ソーラーシェアリングの事が農業関係者に十分な理解を得られていないことから、金融機関が融資してくれない事例が多く見られるのだそうです。
また、農家が高齢化していることから後継者がいないと農水省の許可がおりないことも多いようなのです。
当然、耕作放棄地への設置も難しいということですね。
しかし、これらの問題点は法律などを改正していけば良いのですので・・・農地が農作物とエネルギーの両方を産み出す方法として、ソーラーシェアリングはどんどんと増えていくことが期待できるのです!