
住友不動産の「新築そっくりさん」とは、建て替え費用の5割から7割の費用負担で新築そっくりにリフォームできるサービスです。一部分だけのリフォームから、家の中も外観も全てを入れ替えるリノベーションの範囲までカバーしているのが特徴です。
しかし、そんな「新築そっくりさん」でも問題が出たりクレームが発生したりしているようなのです。新築と比較するとリフォームは欠陥やクレームといった問題点が出やすいものですが、新築そっくりさんだから特別にクレームが多いなんてことはあるのでしょうか?
新築そっくりさんのクレームが多くなる原因や理由
住友不動産の「新築そっくりさん」のサイトには・・・「安心、満足、選ばれる理由、まるで新築!」なんていう言葉が踊っていますので契約したくなってしまうのも分からないわけではありません。住友不動産のブランド力は大きいですから年配の方には特にその傾向が強くなってしまうのも無理はないでしょう。
そもそもリフォームはクレームが多い
そもそもですが、新築と比較するとリフォームの方が欠陥やクレームに繋がる問題は多くなるのが普通です。その理由は、家を壊してみるまでは中の状態がどうなっているかわからないからなんですね。水周りで水漏れが発生しているかもしれないですし、柱がシロアリにやられている可能性だってあるからです。極端な例では基礎がボロボロになっている事だってあるかもしれないわけです。どうなっているか分からない段階でリフォームの見積りを取ってしまうのですから問題が多くなるのは当然ですし、後になって価格的なクレームが発生するのも当たり前なのです。だからこそ住友不動産の「新築そっくりさん」では定価制が導入されているのですが、これがまたクレームや問題の発生源になってしまっている可能性が高いのです。
リフォームできる範囲が広い
「新築そっくりさん」の特徴に、部分リフォームから丸ごとリフォームまで幅広い範囲に対応していることがあります。おそらく私の予想では、部分リフォームと丸ごとリノベーションにおいてのクレームや問題は少ないのではないでしょうか?クレームが多いとすれば「建て替えの半額で、既存をできるだけ活かしつつリフォーム」というプランに問題が起きる可能性が高いと思うのです。既存する部分を残しながらのリフォームが一番難しいのですからね。それも定額で請け負うとなるとなおさらです。
住友不動産が工事するわけではない
住友不動産という大きな企業の商品である「新築そっくりさん」だと、住友不動産というブランドで安心するお客が多いと思います。しかし実際に工事をするのは下請け企業ですし、下手をすると担当者も住友不動産の社員ではない可能性だってあるくらいです。新築そっくりさんとは違いますが、大企業のリフォームでは酷い場合ですと40%ほど利益を抜いてから下請けに丸投げする例だってあるわけですね。こんな金額で下請けさせられていたのではまじめに働く気も起きないのではないでしょうか?
コミコミ価格や定価制の問題点
一般的なリフォームであれば、柱が腐っていたりシロアリの被害を受けていれば追加費用が取られるものですよね。しかし、住友不動産「新築そっくりさん」の場合は・・・定価制ですので最初に契約した金額よりも多く取られることはないシステムになっています。
しかし、よくよく考えてみれば・・・シロアリ被害があった部分をタダで直してもらえるわけではないんですよね、コレって。シロアリ被害のリスク分は最初の料金に載せてあるわけですから、なんの被害もないお宅は割高な料金を払わされていることに気がついてしまうわけです。
そして追加費用が必要なくて被害のあった部分を直してもらえるとしたならば、その負担は下請け業者に背負わされているという可能性も否定はできないと思えるわけですね。また、コミコミ価格で利益が出ない場合は・・・利益の出やすい追加工事を迫ってくる行動も普通に行われる可能性だってあるのです。
しっかりしたキチンとした仕事には、それ相応の報酬が必要になるものなんです。そういう意味においては、腕の良い職人はコミコミ価格なんて仕事はしたがらないハズですね。
リフォーム業界の慣習に騙されないように
一般住宅のリフォームなどとは違いますが、大規模建設の現場においては・・・仕事を落札したスーパーゼネコンの社員は5人から10人しかこないなんてこともザラにあるのです。莫大な利益を抜いた後に下請けに仕事をさせるのですが、下請けや孫請けの従業員は数百人ほどもいるのです。
ここに建築業界の仕組みの縮図が表れていると思います。
住友不動産の「新築そっくりさん」という商品であっても、住友不動産の正社員が実際にあなたの家をリフォーム工事してくれるわけではないのです。莫大な利益を抜いてから下請けに出すわけですが・・・こんな状況で、仕事を出された方の下請け企業はまじめに仕事をする気持ちになれるものでしょうか?
一般的には、リフォームが失敗だったと感じる人は30%近くもいるわけですね。この一因としては、飛び込みの訪問業者に気軽に依頼する人が多いことや、大手のブランドを信じきってしまうことも原因にあると思うのです。
建設や建築業界の中でもリフォーム業界には問題点がより多くありますので、クレームや欠陥が多発するのも無理は無いなーと感じる今日このごろですね。