
土地の価格は需要と供給の関係で決まりますが、日銀の通貨供給量の増減によっても変動するものなんですね。通貨が増えれば物の値段が上がりますから、土地も例外ではないですものね。
また、土地の価値を決める要素は多用に存在しますが「オープンデータ」が一般的になることによって・・・今までの常識では考えられないような要素が土地や住宅の価値を決める時代になってくるかもしれません。
オープンデータとは、行政機関が国勢調査や家計調査などで集めてきた莫大な量の情報を一般公開することです。最近ではオープンデータを民間企業がビジネスに活かすケースが増えてきていますが、これが波及した時の経済効果は約5兆円と見積もられています。
アメリカでは既にオープンデータを使ったビジネスが数多く立ち上げられていて、気象情報や土壌データーのような様々なデーターを組み合わせることによって我々の想像を超えるようなサービスが次々と産まれてきているのです。
そんなオープンデータ(公開された公共データー)からいくつかのサービスが、将来の私たちの生活を大きく変える可能性があると聞いたら・・・あなたはどのように思いますか?その中には、あなたの土地や住宅の価値を大きく上げたり下げたりするようなサービスもあるかもしれないのですよ?
今回は、アメリカや日本で登場しているオープンデータを使った興味深いサービスのいくつかをご紹介してみたいと思います。
オープンデータを使った新たなサービス
犯罪データーから犯罪予測するサービス
アメリカの警察では、犯罪に関するオープンデータを利用した犯罪予測のサービスを用いてパトロールを行うことによって犯罪発生率を大幅に下げることに成功する警察署が出てきているようです。
今までは限りのある人員をまんべんなくパトロールに出していたようですが、犯罪予測サービスと契約することによって、将来に犯罪が発生する可能性の高い地域を重点的にパトロールするようになったのです。ここで大切なのは、犯罪予測サービスの提供する予想地域というのは・・・「◯◯市」という大雑把なものではなくて、「◯◯番地周辺」というきめ細かい指示が出る点ですね。
介護事業所の検索サービス
これまでの介護福祉士などは、介護事業所に電話を掛けて・・・空きがある曜日や時間帯などを含めた情報を各個人で収集していました。この場合、とある介護者に適した介護事業所を探し出すのに3日かかることもあったようですが、オープンデータを利用した検索サービスを利用するだけであっという間に見つけ出すことができるようになったのです。
介護事業所検索サービス会社は、各介護事業所が自社のサービスに登録する時に料金を取るようにして収益を上げています。介護事業所は予約に空きが出たりすると即座に更新情報をアップするということですから・・・介護福祉士の労力が減る上に、介護事業所の電話対応の手間なども省ける凄いサービスだと思います。
高校や大学の進学率で物件の紹介をするサービス
オープンデータを利用した不動産物件紹介サービスですが、利用する公共データというのが予想を遥かに超えるものでした・・・。その公共データとは、そのエリアの住人の高校進学率や大学進学率に加えて、大学や大学院卒業者の割合なんですね。
つまり、周囲の住人がどんな学歴を持っているのかを含めて物件を紹介するサービスなのです。当然ですが、近隣の住人に高学歴が多い土地の人気がとても高くなっているのですね。大学進学率30%で大学院卒の住人がゼロの地域と・・・大学進学率90%で大学院卒の住人が50人住んでいる土地とではどちらが魅力的か、言わなくてもわかりますよね。
こんなサービスは、今までなら想像もできなかったものではないでしょうか?また、このサービスに多くの需要があることにも驚きを隠せません。
オープンデータサービスについて
オープンデータサービスが普及することによって利便性が上がる反面、これからは、デメリットも生じてしまうことが増えてくるでしょう。
例えば、1つのサービスを利用しているだけでは個人情報に匿名性を持たせるようにされていて個人を特定することは不可能だったものが、複数のサービスを掛け合わせることによって特定できるようになってしまうという事例も発生しています。
また、今までであれば商業地域だったりバス路線沿いだったり公園が近かったりなどの内容で土地の価格が決まっていましたが・・・これからは、犯罪発生率の予測や近隣住人の進学率の高低で土地の価値が大きく変わる可能性だって考えられるのです。
ご近所さんに大学や大学院卒業者が多ければ・・・ある日突然に人気が出て、土地の価格が跳ね上がったりするかもしれませんよ!それとは逆で、価格が大幅にダウンすることも考えておかなければいけないですけどね。
恐らく、オープンデータを利用したサービスは、これからまだまだ多く登場することになると思いますが・・・時代が大きく変わっていくという感覚が日毎に増していくように感じてしまうのは私だけでしょうか?