
年配の方の住宅リフォームにおいて、過ごす時間が長くなる部屋を重点的に断熱する「部分断熱」の評判が高まっているようです。
施工方法や技術進歩によって短時間での工事ができるようになったため、引っ越しなどの手間暇がなく住み続けながら断熱改修できる点が人気になっているのです。
暖房時だけでなく冷房の効き具合も良くなりますので、これから夏に向けてでも有効なのが部分断熱なのです。しかし、ただリビングだけを部分断熱することには私は賛成いたしません。
部屋の部分断熱にはメリットがあるのですが、その反面、大きなデメリットがあることを知って頂いた上で・・・失敗しない部分断熱の方法をご紹介したいと思います!
部分断熱とは?
一般的に 部分断熱と言えば、天井だけとか壁だけとか床だけの断熱を強化する事になります。これら以外では浴室だけの断熱とか窓やサッシだけを断熱強化することも含まれますね。しかし今回紹介している部分断熱とは、部屋単位で・・・リビングだけとかキッチンだけとか洗面所だけを戸別に断熱するタイプのものです。家全体を工事するのではなくて部屋毎に工事するのが特徴となります。
例えばLIXILの断熱工法だと、真空断熱パネルを室内側から張ったり断熱内窓を追加したりして部屋単位で断熱改修できて明らかに暖房の効きが良くなるという効果を実感できるのです。現在で築20年ほど経った住宅には断熱材がほとんど入っていないことから部屋単位の部分断熱でもメリットは大きくなるわけですね。
部屋単位の部分断熱のメリット
- 使用頻度の高い部屋だけを重点的に断熱改修できる
- 比較的に工事期間が短くて済む
- 家全体の断熱改修と比較するとコストが圧倒的に安くなる
- 暖房だけでなく冷房時にも効くので省エネにつながる
シニア世代の世帯では、子供や孫が独立して2階は全く使っていないという方も多いのではないでしょうか?このような場合は1階だけを部分断裂で重点的に強化するのも悪くないと思います。
部屋単位の部分断熱のデメリット
- 断熱強化していない部屋との温度差が大きくなることから結露対策が必要となる
- トイレや洗面所などとの温度差が大きくなることでヒートショックの発生が多くなる(ヒートショックとは温度変化で脳梗塞や心筋梗塞などの健康被害が起こること)
- 知識と経験のある業者でないと上記の問題が発生しやすくなる
部分断熱改修を行う際の注意点は?
子供の独立などで使わない部屋が多くなった住宅には特に有効な部屋単位での部分断熱ですが、メリットだけでなくデメリットがある点に目を向けなければなりません。
予算を低く抑えるためにリビングだけを断熱したりすると他の箇所との温度差が高くなってヒートショックが発生しやすくなり死亡事故の原因にも成りかねないのです。
部分断熱する上での注意点としては、リビングだけとかキッチンだけに工事を行うのではなくて・・・浴室や洗面所や寝室を含めた箇所を対象とすることが重要だと思います。
中高年が生活する住宅という意味では、「1階全部」を断熱するのが理想的とも言えるでしょう。これだけの規模の工事となると工期は3週間から4週間ほど必要となるかもしれないですが、脳梗塞などの要因となるヒートショックを予防するという意味ではメリットはとても大きいと言えるのです。
東日本大震災以降は地震から身を守るために耐震改修を行う人が多いと思いますが、その時に部分断熱の施工も含めて行えば効率的に工事を行うことができます。
省エネ効果も大きい部分断熱工事ですが、やはり温度環境が良くなることから住み心地が良くなるのが一番の魅力だと思いますね!