
約10年前から地球温暖化対策としてクールビズ(COOLBIZ)が推奨されてきましたが、クールビズでのエアコンの設定温度が「室内温度28℃」とされた時に多くの文句やクレームが出たものですよね。
日本の梅雨や夏においてエアコン設定温度が28℃では快適になるなんて思えませんが、同じ28℃でも暑いと感じる場合と涼しいと感じる場合があるのはどうしてでしょうか?
その理由の一つは夏でも涼しく過ごせる服装ですが、もう一つの大切な要因が「湿度」なんですね。
CO2削減や電気代の節約も大切ですが・・・ジトジトして不快な夏を快適に過ごせることが一番大切だと思いますので、エアコンの設定温度が28℃だったとしても快適に過ごす方法を探してみてはどうでしょうか?
そしてそもそも室内温度を28℃にしなければならない根拠や理由はどこにあるのでしょうか?とても気になりますよね!
クールビズは何故28℃になったのか?暑いよね
クールビズ(COOLBIZ)による環境省の推奨で、室内で快適に過ごせる温度が28℃と設定されましたよね。
しかし何故28℃に決まったのでしょうか?
また蒸し暑い日本の夏だと室内温度が28℃でも暑く感じてしまうのに、どうして環境省は28℃を快適な温度として推奨しているのでしょうか?
その理由の一つが「服装」なのですが・・・
クールビズのもう一つの推奨として、上着を脱いでネクタイをしない涼しくて快適な服装がありましたよね。
実はこの服装が室内温度28℃でも快適に過ごすための大切な要因だったのですね。
逆に言えばスーツにネクタイのスタイルでは、室内温度28℃は暑く感じてしまって当たり前なのです。
省エネルギーセンターの試算によれば、室温28℃におけるクールビズ推奨の服装と・・・室内温度26℃におけるスーツとネクタイ着用のスタイルとでは温熱感や快適感は同等になるとされています。
つまり快適で涼しげな服装である場合に限っては28℃で大丈夫と推奨していたわけなんですね。
さらに、どんな場合でも必ず28℃にしなければならないとは国も言ってはいないのはご存知だったでしょうか?
建物の断熱性能や窓の性能、または風通しの良い部屋なのか西日の当たる部屋なのか・・・各条件によっても快適な空間になるかどうかは場合によるのですね。
そうであるなら、無理せずに快適に過ごすためであれば別に室内温度は26℃でも27℃でも良いわけなんです。
クールビズの室内温度28℃はエアコン設定温度ではなかった?
クールビズの28℃設定も広く知れ渡った感じはいたしますが、意外にも大きく勘違いされていることが一つあります。
それは室内温度が28℃ということなんですね。
皆さんの中にも勘違いしている人は多いと思いますが・・・
エアコンの設定温度を28℃にしろとは誰も言っていないのです。
快適に過ごせるように室内の温度を28℃くらいにしましょうと言っているだけなのですね。
これは70%近くの人が勘違いしていると思いますが、実はエアコン設定温度を28℃にしたとしても室温はそれよりも少し高くなってしまいます。
これは自宅でも職場でも同様ですが、エアコンの近くは涼しいのに入り口近くやエアコンから遠いところは暑いといった温度ムラができてしまうのが原因ですね。
さらにプリンターやコピー機、パソコン、テレビといった熱源の近くは熱量の発生が高いために暑くて不快になりやすいのです。
しかも室温28℃というのも目安であって、温度ムラを考慮して別に27℃でもいいわけです。
28℃でも涼しく快適に過ごすコツや方法
仮に室内温度を28℃にしたとしても暑くて不快だと感じる人は多いのではないでしょうか?
その理由の一つが温度ムラで、もう一つが湿度の高さになるのですが・・・
温度ムラは扇風機やサーキュレーターを使って解消するのが一番手っ取り早い方法と言えるでしょう。家電量販店で買っても1台あたり数千円で購入できますからね。
そして肝心の湿度ですが、湿度の設定は温度設定以上に快適さを左右する大きな要因となります。
エアコンを付けていたとしても湿度が80%近くであれば室内ででも熱中症になってしまう可能性が出てきます。
逆に室温が28℃だったとしても湿度が60%近くであれば快適に感じる温度になる場合も多いのです。
そういう意味では、ただエアコンのボタンを押すのではなくて・・・もし湿度も管理できるエアコンであればそれを有意義に使うのが大切になってくるのですね。
エアコン設定温度で電気代を節約できる?
今回は「【冷房】エアコンの設定温度28℃でも快適に過ごす方法は?電気代節約のコツは湿度」という内容でしたけども・・・
そもそも28℃に決まったのはオフィスにパソコンも無くヒートアイランド現象という言葉もない50年も前の研究結果によるものなのです。
それを平成になっても頑なに守ろうとするのはナンセンスですよね。
さらに、エアコンメーカーは設計段階で設定温度の推奨値を26℃にしているのに・・・それを28℃にして使ったのではエアコンの性能を発揮できないのは当然でしょう。
26℃に設定して初めてエアコンは湿度もシッカリと落とすことができるように設計されているのです。
だいたい湿度が高い日本の夏でエアコンを28℃に設定する必要なんてありません。世界では23℃前後で設定されているのです。
日本だけで節電を頑張る必要なんてありません(笑)
だいたいエアコン設定温度を26℃から我慢して27℃にしたところで節電効果は高くはないのです。
電力量で言えばたったの0.7ワットしか変わりません。
さらに私が言いたいことには・・・電気代を節約しようとして生産性や気力が落ちてしまったのでは本末転倒になってしまうということですね。
蒸し暑い夏に室温が高くなるほど生産性が落ちることが分かっていますが、実験によれば室温が25℃から28℃に上がるだけで生産性が6%も落ちてしまうことが分かっています。
そうであるならば、職場での働く気持ちや自宅での勉強する気持ちをやる気にするのであれば・・・少しくらいの電気代は節約するのではなくてケチケチせずに快適な部屋の温度にした方が得することになりますね!