
去年のクリスマスの時期にスーパーマーケットのバターが並んでいる棚が空っぽだったことは記憶に新しいですよね?
テレビのワイドショーではバターの不足による緊急輸入などが話題になっていました。緊急輸入と同時に農林水産省がバターの増産を命じたということですが、バター不足はしばらくの間続いたのです。
さらに一昨年も、やはりクリスマスの頃にバター不足に陥ったのですが・・・その理由は、クリスマス用のケーキに使用するために消費量が12月に多くなるからなのです。
バターが不足するのは酪農家が減っていくことによることと夏の猛暑によって生乳の生産量が年々少なくなっていくからなのでしょうけども、実はそれが最大の原因とは言えないのですね。
なぜならば、普通であれば国内でバターが不足したならば各メーカーが輸入することによって品切れを事前に防ぐことができるからです。しかし実際は、そんな簡単なことができないようにされていたのです。
バターを輸入できるのは農水省の外郭団体
バターというのは国家貿易品目に指定されているのですが、輸入に関しては農水省か農水省の外郭団体である「農畜産業振興機構」しかできない仕組みになっているのです。
できないというのはオーバーな表現になってしまいますが、この外郭団体以外が海外バターを輸入しようとするとかなり高額な関税を掛けられることになってしまうので事実上は不可能ということになるのです。
簡単に言うと、国内バターが不足した時に海外バターを輸入しようとすると農畜産業振興機構という外郭団体から買うしか方法がないわけですね。
輸入バターを売るだけで巨額の利益が出る構図
国産バターが不足するとこの外郭団体からバターを買うしかないのですが、農畜産業振興機構は独占的に輸入したバターに利益を乗せることができるようになっているのです。
国内企業にバターを売る場合には、1㎏あたり800円近くの利益を乗せるということですから・・・一昨年に輸入したバターは約4000トンですので単純計算で32億円、実際の為替変動なども考慮すると実質的には約23億円も稼いだことになるのです。
2014年に輸入したバターの総量は約13000トンにもなりますので、輸入したバターを国内で売るだけの簡単な仕事で最大で100数億円もの利益を得たことになります。乗せる利益を少なくして500円と見積もったとしても稼ぎは60億円を超えるものとなりますので大儲けと表現しても間違いはないと思いますね。
バターが品切れとなって緊急輸入するたびに・・・この団体は大儲けすることができるわけです。こうなると国内の生産量が減ったほうが輸入量が増えますので、国内の生産業者が減っていく理由がなんとなく透けて見えてくるような気がしてきますよね!
理事長の年収が凄すぎる・・・
農畜産業振興機構が独占的にバターや脱脂粉乳の輸入を行うのは日本の酪農家の保護というのが表向きの理由にしています。
しかし保護している割には国内酪農家は減少していっている上に、実はこの団体の理事長の年収は1600万円を軽く超えるほどになっているのが色々と疑惑を掛けられる原因になっているのです。
輸入バターを国内企業に売るだけの単純な仕事ですから優れた能力がなくてもできるのに、そんな理事長に1600万円以上の給料を払う必要がどこにあるというのでしょうか?
また、この外郭団体の役員には農水省の天下り元役人が名前を連ねているのですね。ここまでくるとただの天下り先として存在していると言われても言い訳できないのではないでしょうか?
農畜産業振興機構が無い方が酪農家のためになるのでは?
農畜産業振興機構が独占的に輸入バターを扱うことが国内酪農家の保護に繋がるのであれば、理事長の巨額の年収にも目をつぶってもいいかもしれません。本当は嫌ですけども。
しかし、裏の仕組みを知ってしまうと・・・国内酪農家が減った方が国産バターの不足が恒常化しますので、結果としてバターの輸入量が増える結果になります。これはこの外郭団体が大儲けできることに繋がりますので、穿った見方をすると農畜産業振興機構は国内酪農家を減らすという方向に努力してしまっているのではないかという疑惑がつきまとってしまうのですね。
独占的に行っているのであれば儲かるのは確実なのですから・・・理事長の年収を増やすことは「お手盛り」と言わざるをえないですよね。
あなたたちが支払ったバターのお金は、結局はこの団体の理事長や職員の巨額の年収に変わってしまう仕組みが築かれてしまっているのです。
どうせ農畜産業振興機構が存在していても国内酪農家が減ってしまうのであれば、民間企業が自由に輸入できるようにしてしまっても結果は同じということになるのではないでしょうか?
単純に、この外郭団体が不要というだけではないですか?日本にとって。